家具は消耗品? 【第二回】
随分と日にちがたってしまいました。
張りの職人さん達が忙しくて身内の家具のメンテナンスは後回しにされていました。
ようやく出来上がりましたのでどのような作業をしたのか順を追って紹介したいと思います。
30年以上使っている愛着のある曲木椅子です。皆さんも一度は目にしたり座ったことがあるかも・・・
Thonet社モデルでは№14というタイプです。愛称はヴィエナカフェチェア。
籐編み部分は一度張替えて下に補強もしてもらったのですがやはりこの部分は消耗品ですね。
今回は思い切って布張り仕様に変えることにしました。
通常は籐編み部分を剥がしてべニア合板の座張りを乗せて固定するのですが、それだとクッション性もあまり望めないしシート高も上がってしまうので無理を言ってちょっと面倒な方法でやる事にしました。
籐編みシートを押さえる籐芯を入れるミゾの内側を木工職人さんにフラットに削り取ってもらいました。
ただし、前脚接合部分は強度保持のために残しました。
前脚のみ丸ほぞに差込接着で木ビス固定、その他の接合部はボルトナット、木ビスで固定されています。
なので割と簡単に分解できるしメンテナンスもしやすいです。
ここからがちょっと変則的なやり方です。
通常はべニア合板にクッション材を入れて張り上げた座をはめ込むのですが・・・
ソファの下張りに使われるエラスティックベルト
(通常はウェービングテープと呼ばれていて弾性のあるテープ)で下張りをしてもらいました。これによって下向きに座面が沈み込んでクッション材だけに荷重負担がかかることなくクッション性もぐんとよくなります。
あとは通常の工程です。
ベルト張の上に固めのチップウレタンを乗せて柔らか目のスラブウレタンで覆ってお気に入りの張地を張ってもらいます。直に張ってもらうので張跡が表から見えないようしてもらうのが・・・
で、ようやく籐編みから布張りにチェンジして出来あがったのがこちら
張跡を隠すように座の周囲にパイピングを入れてくれました。この張地を選んだ理由は我が家の中で見かけないアカをアクセントカラーとして少しだけ見せたかったから。
同じ布をA3ぐらいの大きさで額装して壁にかけるのも
いいかなって考えてます。
皆さんも気に入って使ってるけどちょっと気になる・・・
なんとなく座がへこんできた。
張布が擦り切れてきた。
長年使ってきて張り布を変えて雰囲気を変えたい。
なんでもご相談下さいね。
by N